そろそろマダニが出てきましたね。マダニといえば、バベジア症などの重い症状を引き起こす原虫の宿主。
これがマダニ。とーっても小さい。あ、マダニにはかなり多くの種類があるそうですよ。

マダニは「ノミダニ駆除剤」では効かないこと、ご存知ですか?「マダニにも効く」という薬を選ばなくてはなりません。
たとえば、有名な「フロントライン」はマダニには効かず、「フロントライン・プラス」ならマダニにも効く、とあります。
さらに駆除剤には「ノミ、ダニ、回虫に効きます」というものもあります。でもマダニには効きません。
さらにさらに猫用には「フィラリアにも効く」というものも。最近は猫にもフィラリアが入ることがわかっています。
ちなみに、うちの猫たちはお外に出さないので駆除剤は何も使っていません。
犬はハッピーだけにつけました。
ジャスミンは白毛で毛足が短く、体も小型なので、見つけやすいという理由でつけていません。
その代わり、毎度の散歩後に入念チェックをしています。

それなりの時間を要するので、面倒だからつけちゃおうかとも思いますが、やはり殺虫剤みたいなもので、つけないに越したことはない、と思うのです。
また、ジャスミンは1歳半くらいまで何種類かの皮膚炎で苦労しました。だから駆除剤だけでなく、虫除けスプレーやシャンプー剤に至るまでナチュラルなものを使っています。食べ物でいえば、にんにくも虫除け効果があると言われていますので、夏場だけ時々、にんにく粉末を耳かき1/4くらいだけゴハンにまぜてあげます。
ハッピーにも駆除剤は使いたくありませんが、毛足が長いこと、茶毛でうっそうと生えていることなどから、小さくて赤黒色のマダニは見つけにくい!どちらのリスクが高いかを考えればつけたほうがいいだろうと考え、つけました。
また、結構ハードな薬らしいので、体調をよく観察してから使ってあげてくださいね!
最新医療のお勉強や研究熱心な獣医さんに相談するのが一番です。なかなかいないんですけどね。
マダニの生態についてもここ数年で調べたり体験したことを少し。ご参考までに。
マダニは草むらに住み、近づいてきた動物の皮膚にぴょこんと飛び乗ります。犬の体に付いてから皮膚に食いつくまで数十分から数時間かかるそうです。

マダニって賢いんですよ。ジャスミンにもしょちゅう付くので私は見つける要領が良くなりましたが(笑)、まずチェック場所は犬の口や足が届かないところ。目の周りや耳の付け根、脇の下(四足の付け根)。この辺が食いつきやすいところです。
ですが初めからそこに飛びつくのではなく、まずは足先や、くんくんする鼻先や顔。
ちなみに朝露の多い日はマダニ君たちは元気いっぱいです。ジャスミンの足に、一度に30を超えるマダニの赤ちゃんがついたこともあります。鳥肌が立ちました。

すぐに気がついてすんなり摘まめるなら、ティッシュにくるんでビニール袋に入れて捨てればOK!薄っぺらいマダニはなかなか潰せないし、潰して体液に触れると、それこそ病原体に触れることになるかもわからないので、ティッシュから生きて出てこないようビニール袋に入れるなり工夫してください。とにかく小さくてごま粒みたいなのでティッシュだけでは隙間から出てきそうです。
この写真はティッシュの上のマダニです。繊維の大きさを考えると、マダニがどれだけ小さいかがわかります。

気付かずにいると、どんどん吸血してあっという間に米粒大に。そのころになって飼い主さんは気づくことが多いと思います。中には、イボができたと思っていた!という話も(笑)
飛びつかれてから半日以上経っているともう、皮膚に食いついています。
これはジャスミンのお腹に食いついてしまったマダニ。摘まんでも取れなかったため、マダニピンセットで取りました。例えばバベジア原虫は、マダニが食いついてから48時間くらい後から犬の体に移っていくそうです。なんとかその前に気がついて取り除いてやらねば!

体を引っ張って取るとマダニの口先が皮膚に残り、炎症の原因になります。いつまでもかさぶた取れないなー、と思っていたらマダニの口が残っていたことがあります。
犬飼いさんなら、マダニ専用ピンセットは持っていたいものですね。うまくやれば口先からちゃんと取れます。

でもうっかり気付かずに小指の爪くらいまで膨らみ、銀色に艶めいていたら、気づかなかったことをしっかり反省し(笑)、動物病院で取ってもらいましょう!マダニがそこまで成長するのに2週間くらいだそうです。
そしてお腹いっぱいになったマダニは自らポロリと落ちて、また草むらに帰っていくそうです。繁殖のためでしょうかね。
ならば放っておいても?なんて思ったら大間違い!マダニが媒介する病気には命を落とす可能性があるほど強烈なものもあるそうです。バベジアだって犬の体力や免疫力が低下していれば重症になりますよ。
また、駆除剤を使っても使っていなくても、マダニはひとまずぴょこんと飛びついてくるそうで、駆除剤が効いていれば皮膚に食いつかず逃げ出すのだとか。
闇雲に駆除剤を使うのではなく、愛犬愛猫の生活スタイルや散歩コース、毛質や体格、健康状態、リスク判断、そして自分でチェックする場合は時間的余裕などを考慮して考えてあげるといいですよね。
ペット後進国の日本。利益追求型の市場に流されず、しっかり勉強して、できるだけ病気なく、健康体で過ごさせてあげたいものです。
自分で食べるものを選べず、体調不良も訴えられないペットの健康は、飼い主さん次第です。
(写真はすべてジャスミンについたマダニです。2~3年前に撮影)