猫の献血・供血
里親募集のコではなく、うちのコたちの話なのですが、広く知っていただきたいなと思い、書くことにしました。
友人の猫ちゃんが病気のため輸血が必要になり、うちのブーレ君が昨日、初めて献血をしました。
猫の献血に関してネットで調べたこと、病院で説明を受けたことをまとめたいと思います。
↓うちの愛猫、ブーレ君。体重6.0キロ、4歳

もし、愛猫愛犬に輸血が必要になったとき、どんな仕組みで血が確保されるかご存知ですか?
日本には動物の血液バンクがないため、その都度ドナーを探すことになるそうです。
独自にストックを持つ病院もあるそうですが、町の動物病院にはほとんどないのが現状。
しかし、そんな悠長なことを言っていられないこともあるため、動物病院では供血できる動物を飼養していることが多いそうです。
「供血」とは、輸血用の血を提供することです。
しかし動物病院で飼養されているコの血液が適合するとは限りません。
猫の血液型は3種、犬はもっと多くあるそうなので、「いざという時は病院の動物さんに協力を」が通用しないこともあるでしょう。
そうなった場合、飼い主さん自身が友人知人を頼りながら探すことになります。
これは大変な作業です。
供血を頼みたい!
あるいは、
協力したい!
と思っても、条件が有ります。
条件は、
7,8歳以下の健康体であり、
ある程度の体格があり、
採血時におとなしくしていられるかどうか!
という3つです。
なかなかの難関です。
健康を証明するための事前検査では、一般的な血液検査に加え、犬ならフィラリアがないかどうか、猫なら猫エイズ・猫白血病がないかどうかなども重要なポイントになります。
輸血による感染症は人の場合も問題になることがありますよね。
特に猫の場合はウイルス感染が珍しくないため、屋外を闊歩しているコはまず供血対象から外れます。
ウイルス検査に出ない潜伏期間のことを考えると、少なくても3ヶ月以上は完全室内飼養され、その子が接触する猫もみな感染症がないことが、輸血される側の猫ちゃんを守る重要なポイントとなります。
そして意外と難関なのは、採血中におとなしくしていられるか…です。
採血の場所は首。無麻酔です。
動物病院の診察台で採血の数分間をじっと我慢していられるかは、献血のときだけでなく、普段の診察時から願うことでもありますけどね。
以前、犬のドナーを探している人がいました。
うちのテリア犬を考えましたが、犬の場合は一般的に体重20キロ以上がドナー対象。
輸血量が少ない場合に限り体重8キロ程度の犬でも可能性はあるという病院もあるようでしたが、うちのテリアは6.5キロ。
健康で診察台でもおとなしくしていられるのに、供血はできませんでした。
猫の場合は体重4キロ以上が目安です。輸血側の猫も小さいですからね。
大体のオス猫ちゃんはドナーになれる可能性が出てきます。
しかし!猫の場合はじっとしていられない可能性が高く、多くは鎮静剤を使うことがあるそうです。鎮静剤と聞くと、抵抗を持つ飼い主さんは少なくないでしょう。
このように調べた上で、うちのコたちはどうかな?と考えると、ブーレととらおがすべてクリアできそうでした。
私としては、社交的で若いとらおを第一候補にしていました。
しかし、とらおは前日の事前検査の際、ちょっと暴れたそうです。
そこで、怖がりさんのブーレはどうかと、同じ検査を受けさせました。
意外にもブーレは怖さのあまり小刻みに震え、まったく体に力が入らない様子でした。
検査の結果、ブーレのほうが体重があるし赤血球も多いのでより良いでしょうということになり、ブーレを第一候補にし、適合しなかった場合も考えて、とらおを第二候補に、ということになりました。
献血当日、朝ごはん抜きの二匹を連れて病院へ行きました。
私は仕事があったので夫に付き添いを頼みました。
ブーレもとらおも夫には懐いているものの、慣れないことを頼むので、内心は気が気ではありませんでした。
ブーレは病院で採血後、輸血側の猫ちゃんとの血液適合チェック(クロスマッチテストというそうです)を待っている間、キャリーの中でおもらし…
↓ビビりすぎのブーレ。

とらおは車内でキャリーに入れたまま待たせておきましたが、布製のキャリーバッグを引きちぎり、中から出て、車内で探検を楽しんでいたそうです。
↓大きく避けてしまったキャリーバッグ。

普段可愛がるだけの夫にとっては、尋常ならぬ二匹の行動が刺激的だったそうです(笑)
しかし、とらおちゃん…
まさかとは思いましたが…
布製バッグは要注意。
やはり、とらおよりブーレと言う先生のお見たては正しかったのでした。
しばらくするとクロスマッチテストの結果が出て、 ブーレの血液が適合。
供血することとなりました。
夫はブーレを病院に預け、車内フリーとなったとらおちゃんをなだめながら無事帰宅。
採血は先生方に任せ、あとは私が夕方にブーレを迎えに行くだけとなりました。
一方、輸血される側の猫ちゃんも血液検査や拒絶反応を起こさないための準備など、色々あったそうです。
供血側の猫はまず首の毛を剃られます。
それから採血するそうです。じっとできないコならば鎮静剤。
ブーレを迎えに行った際、先生は「とてもいいこでしたよ。鎮静剤を使わずできました。帰ったら美味しいごはんをたくさん食べさせてあげてください」と言ってくださいました。
怖すぎて動けなかっただけだと思いますが、よく頑張ってくれました。
とてもホッとしました。
突然暴れたりして首の血管が切れたらどうなるんだろうと、先生を信用しつつも、それなりに心配していましたので。
ブーレから採取した血液は60ml。体重の1%です。
人の場合の献血量は、たしか、男性800ml、女性400ml でしたよね。
私のように低血圧だと200ml ですから、なかなかの量をブーレは提供したことになります。
ちなみにブーレは、内臓脂肪はあるものの、肥満体系ではありませんよん。
血が減ったブーレには、16日分の鉄剤が処方されました。朝夕の二回飲ませます。

また健康な血がたくさん作られますように。
帰りの車内でちょっと鳴いたブーレ。
まあるいおメメをキョロキョロさせていました。
帰宅すると真っ先にお風呂場へ(笑)結構、元気でした。
浴室の洗い場でゴロンと横たわり、私に撫でられるのが好きなコで、何度もゴロンゴロンと体制を変え、ナデナデを要求するので、ずっと付き合ってやりました。

剃った首筋はこんな感じ。意外と狭範囲でした。気にする様子はまったくなし。
すぐに生え揃うことでしょう。

ごはんは普段の1.5倍くらい食べ、満足気でした。
↓二杯目〜

もし、二度目の輸血が必要になったときは、別の猫ちゃんの供血が必要だそうです。
また、供血側の体への負担を考えた場合、最短でも月に一度が限度だそうです。
二ヶ月過ぎてからという病院もありました。
次はとらお君ですよ~

いつ何時、愛するペットに輸血が必要になるかわかりません。
猫友や犬友とそういった話題を一度はしておきたいですよね。
また、何かあったときではなく、ボランティアとしてドナー登録しておくのも必要な時代になってきていると雑誌にありました。
そういったシステムを持つ病院が近くにあったら参加したいものです。
ただ、やはりかかりつけの獣医さんとのコミュニケーションは大事ですから、治療に際してのリスクをきちんと理解し、自分でもよく勉強することが大切だと思います。
今回は輸血側も供血側も無事に終了して一安心しました。
急な申し出に応じてくださった先生方に深く感謝致します。
あとは友人の猫ちゃんが元気を取り戻してくれるのを祈るばかりです。
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