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2022年7月 6日 (水)

ミーナ、荼毘に付すまで

前回の続きです。


買い物リストが出来上がり
一息つくと、
火葬どうする?と夫が言いました。

この日は日曜日。

明日から仕事モードにならなければいけない夫は、
辛いけれど火葬することで気持ちの整理を
つけたいようでした。


でも。
うーん。。。
できるだけ長く置いておきたい。

それが私の本音でした。

 

ミーナが晩年過ごした部屋。

保冷効果を高めるため

ペンギン柄のタオルですっぽり包んであります。

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もう動くことのない遺体であっても、
ミーナがすべて消えてしまうことが怖くて
悲しくて、
辛くてたまらない気持ちになってしまい・・・


夫は「明日だと、俺は一緒に行けないかもよ」
と言います。


うん、わかってる。

でも、今日は嫌だな、

まだ、置いておきたい。


答えを出せないまま、
買い物リストを持って出掛けることにしました。

 

最初に向かったのは、お花屋さん。
「優しいピンク系で、三方見スタイルで」と
アレンジメントを頼みました。

そして、棺に入れるお花も欲しいことを伝え、
店内を見回すと可愛らしいスプレータイプの
バラがありました。

「ピンクワルツ」という名前でした。

若い頃、「waltz」という単語を入れた
メールアドレスを使っていたなぁなんて
思いながら、そのバラに合う他のお花を
選んでもらいました。

柔らかで華やかなトルコギキョウを2種、
白とピンクのグラデーションが見事なカーネーション、
そして白のアルストロメリア。

棺に入れたいことを伝えると、
直前までお水に漬けておいてくださいとのこと。

なるほど。しおれないようにってことですね。

悲しみでいっぱいのときは
当たり前のことが思いつかないものです。
前日のうちにお花だけを切り取って
明日に備えてしまうところでした。


4年前に亡くなった子猫「ソレイユ」のときは
庭のミニバラが満開で、
小さな小さな体には
それだけで十分美しく飾れたからなぁ。。。


アレンジメントが出来上がるまで
少し時間があったので
ホームセンターに向かいました。

棺は白い段ボール箱にしたかったのですが、
書類箱サイズと、
果物用サイズ(「メロン」とか「ぶどう」と書いてある)
しかありませんでした。


また、定番色のままの段ボール箱も
60センチまでしかありませんでした。

そっか。

確かに、70センチもあったら
人の手で運びにくいよね。

これまた当たり前のことを
思いつきませんでした。

どのサイズも最大で60センチだったので
その中から選びました。

淡いピンク色の不織布と
綺麗なリボンも合わせて購入しました。


次は写真立て。
どんなタイプがミーナに合うかなぁ、
木枠?カラフル?ガラス?
結局、3つ購入しました。

 

こんなふうにミーナのために
何かを選んでいる最中は
心穏やかになっていました。

 


お花屋さんに戻ると、
アレンジメントに使われたお花は
半分くらいが棺用に選んだお花と同じでした。

嬉しい心遣いです。
違う?ピンク系がそれしか無いってこと?笑


そして棺用のお花は
短めに切りそろえられており、
2つに分けてくださっていました。
手で折れる茎と、ハサミが必要な茎とに。


それらを抱えて帰宅し、
さっそく棺づくりに入りました。

サイズを確認すると、
60センチ長さでも十分でした。

深さがありすぎたので、
25センチまでカットしました。

次に布を全面に貼らねば。

カッター、ハサミ、定規などで試行錯誤していると
おまかせで流していたamazonミュージックから

JUJUが唄う「守ってあげたい」が流れてきました。

ユーミンの、あの、国民的名曲です。

とはいえ、私はあまりこの曲の歌詞を
じっくり聴こうとしたことはありませんでした。

初めてといってもいいくらい、
じっくり耳を傾けると、
まさに、ミーナへの私の気持ちそのものでした。

『 ♪ 初めて言葉を交わした日の~

(省略)

遠い夏、息をころし トンボを採った

もう一度 あんな気持ちで

夢をつかまえてね ♪ 』


ミーナを初めて見たときのことを思い出しました。
ひとりで必死に虫か何かをつかまえていました。


そこから私のミーナの観察が始まって、
その10か月後に
ミーナのほうから「にゃあ」と言いながら
寄ってきてくれたのでした。
怪我をしていて食事がとれないようでした。


『♪ 守ってあげたい

あなたを苦しめる全てのことから ♪』


保護するときも、
怪我をしていたときも、
その後9年間の毎日も、
3か月半の闘病中も、
ずっと、ミーナのためにやってきたことを
あれこれ思い出しました。


すっかり気に入ってしまった
「守ってあげたい」を1曲リプレイ設定して、
頭の中を思い出でいっぱいにしました。

そして黙々と、
かわいい棺を作り続けました。


棺には何を一緒に入れてあげようかな。

写真も選ばなきゃ。

棺造りは思いの外、
心落ち着かせる良い時間となりました。

 

棺が完成する頃にはもう夕方でした。

さあ、ここからはいつもの慌ただしい日常が
待っています。
犬たちの散歩、猫たちのトイレ掃除、
みんなの食事作りと配膳、投薬。


私の食事は夫が用意してくれました。
そして「明日の午後なら時間取れるから」と
言ってくれました。


ふたりでちゃんと送らなきゃね。

月曜の午後2時で
ペットの葬儀屋さんに予約することにしました。


ミーナのところへ行き、
保冷剤を交換していると、
初めてとらおがそばにきました。

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しばらくの間、
ふたりでーナに話しかけました。


その後もずっと、
ぶわっと込み上げる悲しみで
涙の涙の時間でした。

 

 

月曜の朝。

サラサラと降る雨の中、
アビーの散歩をしながら

何度も何度も
深呼吸しました。


今日は本当にもう、お別れの日。


午後2時を過ぎたら、
ミーナを触れなくなってしまう。


魂はもう無いというのに、
柔らかなお耳、しなやかな尻尾、
そしてふわふわの被毛。


念のため、ペットの葬儀屋さんに電話をし、
何時間前に保冷材から離して
棺に入れてもよいかを尋ねました。


2時間前ならということだったので
その前にお花を準備しました。

 

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棺の中には、ふわふわのマットを敷きました。
枕になるよう、2枚使いました。
ミーナも愛用していたマットです。

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ミーナを棺に移す様子を、
とらおと志麻がじっと見つめていました。


夫もやってきて、ふたりで一緒に
お顔周りには「ピンクワルツ」を、
ふわふわとしたトルコギキョウも添えて、
全身を優しい色のお花で包みました。

 

ミーナの仮のお誕生日6月1日に購入した
新品のケリケリを抱きかかえるように置きました。

偶然にも、お花たちに溶け込むような色合いでした。

やっぱりこれが、私が想うミーナの色なんだなぁ。

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好きだったオヤツやオモチャ、そして私との写真、
みんなとの思い出の写真を添えました。


サラサラと雨が降っているものの、
空は明るくて、寒くもなく、蒸し暑くもない、
ホッとする気候でした。


出発30分前、
ミーナがよく過ごしていた窓辺に置きました。

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ここからよく外を眺めたり
お昼寝をしたりしていたね。

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とらおと志麻がやってきました。

志麻はお行儀よくミーナを見つめていました。

とらおは、ケリケリの香りに気付き、
中に入りたそうでした。

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出発の準備をしていると、
ご近所さんがお花とお弁当をもって
駆けつけてくれました。

なんて嬉しいお気遣いでしょう。

私はまだ誰にもミーナが亡くなったことを
話していなかったのですが、
夫がジャスミンの散歩中に話したようでした。


ミーナの出棺直前でしたから
十分にお話しできず申し訳なかったのですが
優しいお心遣いが、
寂しくてたまらない張り詰めた気持ちを
和らげてくれました。


出発の時。
ミーナが濡れないよう、
棺にはビニールを被せて、
転ばないよう注意しながら
車に乗り込みました。

夫と一緒で良かったと思いました。


30分ほどで「愛心ペットセレモ」さんに到着。


何度かお世話になっているので
会場の方とは顔見知りです。
「艶々で綺麗なねこちゃんですね」と
言ってくれました。

少しだけミーナのことを話しました。
会場の奥様は大の猫好きさんだと
以前伺ったことがありました。
ソレイユもこちらでお世話になったのでした。


そのせいか、不思議と心は落ち着きました。

 

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いつものように
「最後のお別れを」ということで、
夫と順番に何度も撫でながら
話しかけました。

 

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振り返ってみれば、
私の人生の中で最も安定して幸せな時期に
ミーナはうちのコでいたのね、と。

東日本大震災の混乱が落ち着いて、
果樹園の仕事もやり終えて、
夫の起業を支えながら
好きな仕事だけをやればよかった10年間。

私の四十代はずっとミーナと一緒だった。
楽しい時間をありがとう。
ミーナのおかげで、私も幸せだったよ。


あまりに長く撫でていたので、
「そろそろよろしいでしょうか」と言われ
ハッとしました。
夫に背中をツンツンされました。


控室で待つ間、
ミーナの写真をずっと眺めていました。

 

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夫とも写真共有しておいたので、
「これ、笑えるね」とか
「これ、すごくかわいく写ってる」とか、
会話は尽きませんでした。


夫が「デジタルフォトフレーム買おうよ」と言いました。
うんうん、欲しい!!
音楽流せるタイプね。
「守ってあげたい」をかけ続けたい(*^▽^*)


そんな会話をしていると、
お骨になったミーナが連れられてきました。

 

手前の器に、
足の指の骨・尻尾の骨・歯・爪
と分けられていました。

爪、切らないでおいてよかったと思いました。

歯は少ないね、最初から前歯がなくってね、
奥歯も悪すぎて、ずいぶんと治療したよね。
肝臓も悪かったけど、数年で良くなったね。
ここ数年はどこも悪いところがなかったから、
抗がん剤は制限なく選択できたんだよね。。。


一部、グリーンに変色した骨を見ながら、
また語り始める私。


分けてくださった小さな骨っこたちを
どうしようかと悩んでいだら、
ペンダントにしたりする方もいるとのことで
あとでじっくり考えたらよいでしょうと、
会場の方が2つずつ
小さな袋に入れてくださいました。


そのあと、お骨上げを行いました。


実際のミーナも、骨壺と同じような重さだねぇ、
なんて、またしみじみ思いながら、
なにかこう、スッキリしたような、
もう、悲しんでばかりいても仕方ない、
ミーナの笑顔を思い出そう!

そんなふうに思えてきました。

ミーナの一生が、
とても素晴らしいものだったと思いたい。

彼女は十分幸せだったと思いたい。

毎日楽しかった、と思いたい。

 

自宅に到着して、
一番話しかけやすいところを祭壇としました。

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ご近所さんがくださった白と紫色のお花が
静かで優しい雰囲気を作ってくれました。


お線香の煙と香りが
ただならぬ雰囲気を醸し出しているせいか、
犬たちはちょっと離れた場所で
静かにしていました。

 

気が付けば、お腹がGuuu。

ご近所さんにいただいたお弁当を
ありがたく頂戴しました。


実は荼毘に付す前、
コンビニプリントを利用して
遺影を何枚かプリントしたのですが
発色が悪くて。

なので、このときはまだ遺影がありません。


お気に入りの写真をスマホの壁紙にして
お鼻やおでこをくるくる撫でました。

スマホを持つと、
闘病生活をアップしていたSNSに
報告しなきゃならないことに気が付きました。

あー・・・

そういうのは、まだ辛い。

心が落ち着いたらにしよう。

治療していた病院への電話も無理だ。
涙をこらえて話す自信がない。

 

今はとにかく、ミーナの思い出に浸りたい。

おしゃべりで、表情豊かで、しっかり者で、
小柄ですばしっこくて、じゃらじゃらが大好きで。

 

夜、ニュースを見ると、「梅雨入り」宣言
されていました。


梅雨と共に、喪に服すことになるわけです。

 

夜になって、ミーナを「みーたん」と呼んで
治療してくださったM先生にLINEで報告しました。
これだけは、なんだかすんなりできました。

温かいお返事を何通かくださって、
ご自身が猫ちゃんを亡くされた時のお話も
合わせて書いてくださったので、
皆さんそれぞれに別れのときの辛さを乗り越えて
今があるのだと、
心を強く持てるような気がしました。

「経験者」というグループに
入れてもらったような気持ちにもなりました。

この先生にずっと診てもらいたかったなぁ。。。


途中で変わったY先生も一生懸命やってくださったから
後悔とか残念とか、そういう気持ちではないのですけど。

理系っぽい先生と、文系っぽい先生がいるでしょ(笑)
雰囲気の違いでねこと飼い主の緊張度も変わるもの。


Y先生はおそらく、ミーナのことを心配する質では
ないでしょう。だから急いで連絡することもなかろう。

とはいえ、2日後には病院に連絡することができました。
カルテにはなんと書くのかなぁ。「死亡」とか?

まあ、いいわ。

この病院からお花が届くことはありませんでした。

他の病院さんでは、長く治療した後に亡くなると、
お花を贈る習慣があるのだそうです。


ミーナ、病院ではイイコでがんばったのにね。。。


なので私も電話報告だけにして
病院へ挨拶に行くことは止めました。

どうせまた、別のコの定期検診で行きますし。

 

その後、数日してから
ぽつりぽつりと、ミーナのことを
友人知人に話していきました。


お花やお菓子などを持ってきてくださる方が
意外に多くて、
お返しをちゃんと考えねばと思いました。

 


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本当にありがたいことでした。

 

つづく。

 

かどうか、未定。。。

 

 


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